現在の高齢者の医療負担は適切であるか

後期高齢者医療制度は、75歳以上の方のほか、一定の障害を持つ65歳以上の方も対象となり、基本的に医療負担は1割となっています。
しかし、現在の日本は高齢化が進み、残りの医療費は税金や社会保険料が財源であるため、これから先の現役世代の負担が増していくであろうことは想像に難くありません。
更に、地域によって保険料が違うため、各地域においての年齢別人口比率によっては更なる負担も懸念されています。
日本国民一人当たりの生涯医療費は2000万円後半、その50%は70代以降というデータもあり、つまり1000万を越える金額の9割を他の国民が負担しなければならないのです。

後期高齢者支援金は年々増加しており、協会けんぽなどの財政悪化の要因となっています。
そのため、保険料引き上げの議論は繰り返されていても具体的な解決策は未だ確立されていません。
更なる対策としては、2022年度から後期高齢者であっても所得に応じて負担額の引き上げが検討されていますが、こちらもまだ確定には至っていないのが現状です。
保険料も税金も負担額が大きくなれば当然支出が増え、根本的な生活に支障をきたすことになります。
余裕がなくなっていくことで若年層が家庭を持つことに不安を感じ、ともすれば少子化へ拍車がかかり、そして国の財源の担い手が更に減っていくことになります。

福利厚生のシステムを利用するには財源が必要であり、それを生かすのは国民一人一人です。
すべての国民が充実した生活を送るための医療制度であり、しかしその医療負担で生活が圧迫されてしまうのでは元も子もありません。
改革となる制度の見直しが今後期待されています。

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